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古民家再生のポイント=基礎の補強=

  • 2008/06/10(火) 11:25:56

般的に古民家の欠点は3つあると言われている・・・とあちこちの本に書かれています。
その3つとは、

A.基礎の脆弱さ
B.寒さ
C.間取りの悪さ
  です。

これらをいかに解決していくかが設計者や施工者の腕の見せ所となりますし、それぞれの民家の個性を決めていく要素にもなると思われます。


A.基礎の脆弱さ
築100年以上たった民家の多くは「石場建て」で、礎石と呼ばれる自然石の上に柱を載せています。我が家の古屋もそうです。この工法は基礎コンクリートのように全体で家の荷重を受けるのではなく、それぞれの礎石に荷重されるため不同沈下を起こしやすいのが欠点です。不同沈下を起こすと、柱や土台が地中に埋もれ腐食したり、腐食のみならず家自体を歪ませて、すきま風の原因ともなるのです。

そこで、その解決策として布基礎やベタ基礎が開発されてきたわけです。ベタ基礎は不同沈下に強いだけでなく、地面からの湿気も防ぐ役割を果たしています。

古民家再生の現場においても、移築の場合は新築とほぼ同じ工事過程ですから、ベタ基礎なり布基礎を敷設して、その上に解体された構造体を組み立てることになります。現地再生の場合は、揚げ家といって床から上をジャッキアップして、家を空中に浮かしたまま基礎を敷設する方法があります(ここに解体からのかなり詳しい工程写真が載っています)。費用は相当かかるらしいです。揚げ家をする程予算はないという場合は、こんな方法あんな方法があるようです。

我が家の場合はといいますと、崩壊している北側は別として、残存している南面10畳2間の水平レベルは0、つまり不動沈下を起こしていないそうです。よっぽど固い地盤なのですね。揚げ家は我が家の予算からして無理そうなので、上述のこんな方法やあんな方法をプリントアウトして工務店に見せながら、あれこれ検討した結果、
い)80年経っても不動沈下を起こしていない
ろ)費用対効果
は)現在瓦葺きとなっている屋根をガルバリウム鋼板のものに替える(重量が半分程度になる)
という理由から、現在の石場建てのままにするということになりそうです。北側の崩壊している部分は、一旦全部撤去して新しく増築という形になりますが、建築基準法にのっとり?追加遡及されない程度の増築面積として、この新しく付け足す部分も石場立てとします。この辺りの事情は、この記事の後半に詳述してあります。


家再生の本を読むときまって古民家の基礎の弱さを指摘していることから、私は石場建てのままで大丈夫かと大いに不安だったのですが、80年問題なかったという実績とやはり費用対効果をとりました。予算が潤沢にあればそれぞれベストと思われる方法をとり、基礎も揚げ家をしてベタ基礎を敷設するのでしょうが、限られた予算の中ではひとつひとつのことに費用対効果を考え、予算のメリハリをつけなくてはなりません。

敷地は三方を水田に囲まれ、また地下水位も低くはなく(玄関脇の井戸をのぞいてみたら、水面まで1メートルありませんでした)、湿気の面では決して好条件ではないのに、土台がしっかり残っていたのは昔ながらの基礎の高さと風が十分に床下を吹き抜ける造りだったからでしょう。

ただ、床下スースーは夏には向いているのでしょうが、冬期の寒さが気になります。これは断熱材の適切な施工や床暖房などによってある程度は解消されるだろうと。基礎断熱を施した家などに比べたら熱損失は大きそうですね。


に耐震性も心配です。基礎コンクリートという「面」で家を支える構造と礎石と柱という「点」で支える構造とでは、素人でも基礎コンクリートの方が地震に強そうだと分かります。その点について興味深い記述を見つけました。基礎のみならず構法についても記述が及んでおり、少々長くなりますがそのまま引用します:

鈴木有氏(金沢工業大学・秋田県立大学名誉教授)は現代構法を、もっぱら筋交いや面材による「構造体の剛構造化」を目指したもので、地震力を力で押さえ込む『総力前線防衛型』と称し、想定以上の地震に遭遇したときは耐力を急速に失い、崩壊する危険をはらむとしている。

それに対し伝統構法は、中地震では剛性は高いが脆い土壁で耐え、壁土が壊れた後は粘り強くエネルギーを吸収する「木組みの構造」で凌ぐ。そしてそれ以上の地震には自然石の基礎の上で建物がすべり地震力をかわす簡易な免震構造でやり過ごす。さらに建物が大きく傾いても、通し貫が倒壊を防ぎ人命を守る。剛構造と柔構造と免震構造を並存させ、襲われる地震動の強さに応じて段階的に対処する『多段階防衛型』の「対震」機構を内包している。
「民家再生の技術」より)

もっとも他の本によれば、ー当たり前の話ではあるけれどーこういった究極の免震構造がきちんと機能するには、適切な仕口や継手の加工、構造体の太さなどが必要条件となるそうです。我が家は80年以上を耐え忍んだということで、この点は及第しているのでしょう。


は少しそれますが、シロアリ対策としての私のバイブルに「『床下』が危ない! (住宅が危ない!シリーズ)」があります。その本の最後に生き物と住まいの共生について書かれています。著者によれば床下と天井裏は自然との緩衝区域であって、簡単に省いてはいけないところであるそうです。正直に言えば、私も虫が苦手です。けれどもこの本に書いてあるような自然との共生、土が本来持っている力などには共感するところが多いので、この床下を大切にしたいと思います。


てさて、古民家の欠点3つの内、たった1つのことでこんなに長くなってしまいました。残りの2つはまた今度にします。お読み下さりありがとうございました。




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この記事に対するコメント

no title

本当にすごい勉強量ですねえ。
石場立ての家は足固めをきちんと回しておけば、土台が腐ることもないし、私は今の普通の土台を使った家に比べると長持ちすると思います。できれば、柱をつなぐ材としては、足固め、差鴨居、胴差しなどと入れていけば完全ですよね。
昔、祖父母の家に行って、床下に潜ってよく遊んだことを思い出します。あそこには農機具などをおいていましたよね。蟻地獄があったりして、お子様がいれば、楽しいし、思い出になります。
井戸もあるのですか。ますますうらやましいです。夏にスイカを放り込んでおいて、釣瓶で引っ張り上げて食べた数十年前を思い出します。

  • 投稿者: tata
  • 2008/06/10(火) 23:25:59
  • [編集]

=返信=

tataさま
再度のコメントをありがとうございます。勉強といいますか付け刃です。
ご指摘の構造については工務店に確認してみます。私も今後の工程の中で古屋の骨組みを見ることがとても楽しみにしているところです。
子供たちにとっても思い出がたくさん残せる家になるといいなと願っています。

  • 投稿者: イエメンマモ
  • 2008/06/11(水) 20:12:25
  • [編集]

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